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【書評】奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録(石川 拓治)

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無農薬リンゴを世界で初めて成し遂げた男

みなさんはリンゴ🍎はお好きですか?

リンゴと言ったら青森県ですよね!中でも弘前(ひろさき)市が有名です。

kyon
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実は私は弘前市出身で祖父の実家がリンゴ農家なんですよ!

実はリンゴは他の作物よりも特に農薬を大量に使います。

それはもうリンゴが白くなるほどです笑

理由はリンゴが色々な病気や害虫に弱いためで、どの農家も農薬を使うのが当たり前です。

しかし同じ弘前市でリンゴの無農薬栽培を世界で初めて成功させた方がいます。

名前は木村秋則さん

その無農薬リンゴは「奇跡のリンゴ」と呼ばれ、今までのリンゴより甘く美味しいそうです。

今回は無農薬リンゴを完成させた軌跡を描いた、「奇跡のリンゴ」の書籍を読んだのでご紹介します

またこの本は2013年に映画化しており、阿部サダヲさんが主役を演じています。

アマゾンプライムU-NEXTで配信中なので、興味のある方はぜひ見てみてくださいね。

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「奇跡のリンゴ」の概要

【基本情報】

  • 著者:石川 拓治
  • 定価:1,300円+税
  • 発行年月:2008年7月
  • 頁数:207
  • 出版:幻冬舎

【目次】

  • まえがき(NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」ディレクター 柴田周平)
  • プロローグ
  • 奇跡のリンゴ 1~24
  • エピローグ
  • 木の上に広がる青空(脳科学者 茂木健一郎)

この本は2006年12月7日にNHKで放送された「プロフェッショナル 仕事の流儀」で木村秋則さんの回をきっかけに、本人への取材内容をまとめたものです。

また映画化もされ本書は累計45万部のベストセラーとなっています。

木村秋則さんの幼少期から無農薬リンゴを作り上げるまでの実話が詳細に書かれています。

不可能と言われた無農薬リンゴを簡単に作れるわけもなく、木村秋則さんの壮絶な経験ぶっ飛んだ考え方リンゴの特徴なども知ることができます。

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著者の紹介(石川 拓治)

石川拓治さんは1961年茨城県水戸市生まれのノンフィクションライター。

代表作の「奇跡のリンゴ」のほかにも、「天才シェフの絶対温度 「HAJIME」米田肇の物語」、「茶色のシマウマ、世界を変える」などがあります。

読んだ感想

不可能を可能にした壮大なストーリー

誰もが不可能だと思っていることに挑戦しようとすると、大抵反発を受けます

22歳の結婚を期に農業の道へ進み、妻が農薬に敏感な体質で辛い思いをしてしまうため、無農薬栽培に挑戦します。

しかし無農薬にし始めた途端に病気と害虫のオンパレード。

周りの人からは苦情と冷ややかな目を浴びる始末。

世知辛い気もしますが、自分の作物が影響を受けるかもと思うと、他農家さんの行動も責められません。

もちろん農家なのでりんごの収穫が減ると生活はどんどん苦しくなり、自殺を実行する手前まで追い詰められてしまます

正直このあたりで普通の人は辞めるべきで、周りも止めるべきだと思います。

しかし間一髪のところで無農薬の大ヒントを山中の自然から得て、最後には無農薬栽培に成功します。

それは自然に適応できる環境(自然な栄養や微生物がたくさんある柔らかい土)と、大きく広がった逞しい根でした。

実話ですが、フィクションのように起承転結がしっかりしていて、物語として楽しむことが出来ました。

木村秋則さんの人柄がすごい

壮絶なストーリーを経てなお無農薬栽培を成功できたのは、間違いなく木村秋則さんの人柄が素晴らしいからだと思いました。

木村秋則さんは無農薬をとにかく諦めずに、無限とも思える選択肢を一つ一つ試していきました。

そのストイックさは、害虫の動きを一日中観察するほどです。

この集中力は農家というよりも研究者と言えるかもしれませんね。

また実験を重ねるうちに少しうさん臭くなるのですが、スピリチュアルな考え方、行動も起こします。

例えばリンゴの木と会話したりなど。

精神的に参って神頼みしたい気持ちもあるのでしょうが、何に対しても目線を合わせようとする優しさが伝わってきました。

結果として自然をよく理解でき、無農薬への糸口を見つけたので、このような気持ちも大事なのかもしれないと思わされました。

YouTubeのTEDxMeiekiで木村秋則さんが無農薬リンゴと自然環境について話している動画があります。

話し方の柔らかさやまっすぐな人柄がよく感じられますね。

リンゴや弘前市に親近感

私の地元が同じことやリンゴ農家なところから親近感がわいてこの本を手に取ってみました。

特にリンゴについては農薬の使用状況も何となくわかっているので、すんなり話が理解できて面白く読めました。

(青森を舞台にした他の本もおすすめです↓)

害虫や病気名もリンゴ農家としては聞きなじみのある名前ばかりで、よく親や祖父母から聞いていました。

農薬を撒いても少しは被害を受けてしまうので、同情しながら読んでいました笑

弘前市の田舎道は田んぼとリンゴ畑であふれています。

夏から秋にかけては実のリンゴをたくさん見かけるので、青森に来た際はぜひ弘前の自然を体感してみてくださいね。

おわりに

物語としては偉人の伝記を見ているような感覚で、農家として挑戦し続けた人の生き方を学ぶことが出来ました。

特に人間だけの世の中ではなく、自然と共生しようとする気持ちが、地球環境やSDGsにも通ずるところがありますね。

また気になる木村秋則さんが作った「奇跡のリンゴ」は一般の人は購入することはできないようです。

ただし弘前市のフランス料理屋「レストラン山崎」で奇跡のリンゴを使った料理が食べられるそうです。

今度帰省した時にでも行って食べてみたいと思います。

リンゴが好きな方、青森の方はぜひ一読してみてはいかがでしょうか?」

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