かがみの孤城を紹介
みなさんこんにちは。
本を読むのが好きですが、読むスピードが遅すぎるのが最近の悩みなkyonです。
今回は「かがみの孤城」という本を読んだので、ご紹介していきたいと思います。
この本、内容が面白く読むことに疲れませんが、如何せん大ボリューム。
やっと読み終えましたが、かなり感情移入できるいい物語でした。
ちなみに最近映画化もして、映画の感想も書いているので興味ある方はぜひ↓
「かがみの孤城」の概要
【基本情報】
- 著者:辻村深月
- 定価:1,800円+税
- 発行年月:2017年5月
- 頁数:554
- 出版:ポプラ社
【目次】
- 第一部 様子見の一学期
- 五月
- 六月
- 七月
- 八月
- 第二部 気づきの二学期
- 九月
- 十月
- 十一月
- 十二月
- 第三部 おわかれの三学期
- 一月
- 二月
- 三月
- 閉城
- エピローグ
かがみの孤城は2018年に本屋大賞を受賞しており、そのほかにも王様のブランチブック大賞など計9冠を獲得しています。
そして累計170万部を突破しています。
一気読み&二度読み&感涙必至!
あなたを、助けたい。
引用:かがみの孤城 辻村深月 | ポプラ社 (poplar.co.jp)
学校での居場所をなくし、閉じこもっていたこころの目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこにはちょうどこころと似た境遇の7人が集められていた―― なぜこの7人が、なぜこの場所に。すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。
著者の紹介(辻村深月)
辻村深月さんは1980年、2月29日生まれ。山梨県出身の小説家です。
幼いころから本を読んでおり、小学校で自策の小説を書いていたそうです。
2004年に「冷たい校舎の時は止まる」で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。
代表作としては、「ツナグ」「鍵のない夢を見る」「傲慢と善良」「映画ドラえもん のび太の月面探査記」などがあります。
読んだ感想
中学生の心情を思い出す
中学生って子供と大人の中間で、かなり変化が激しいですよね。
この本では中学生らしいシーンがたくさん出てきます。
子供なりの察知能力の高さ、中学のよくわからん勢力図、素直になれないところ、中学生特有のすぐカッとなってしまうところ、嘘をついてしまうところ、冷静になってすぐ謝れるところ、言葉足らずで勘違いし話が食い違うところ。
良く表現できていて、ちょうど思春期の時こんな感じだったかもなと思わされました。
今思えばしっちゃかめっちゃかですが、中学生にとってはその時その時の感情が本心だったりするんですよね。
大人になると当時の感情を忘れてしまうので、子供が中学生になった時は気持ちを汲み取ってあげたいものです。
学校に行けない理由はいくつもある
代表的なものはいじめですが、この本にはたくさんの事情が出てきます。
親の理解がない、学校よりも習い事、期せずしていじめの加害者になるなどなど。
意外と学校に行けなくなる背景は多くあるんだなと思いました。
中学校は義務教育ですが、、何が何でも学校へ行かなければならないとは思いません。
楽しい中学生活が送れるように、周りに協力を求めるのは重要だと感じました。
でも助けを求めにくい年ごろでもあるので、親や先生、信頼できる大人が気にしてあげて欲しいですね。
最後の伏線回収
この本の面白いところはなんといっても最後の伏線回収だと思います。
本を読み進めるうちに、あれと思う点はいくつもありましたが、最後の最後で腑に落ちました。
2回目伏線を分かったうえで読み返すのも面白いですね。
ここからはいくつか伏線回収したところを上げていきます。
- そもそもかがみの孤城とは、リオンの亡くなった姉の実生が神様にお願いして作った時空を超えた世界
ドールハウスとかがみの孤城がリンクしており電気だけが通っているところ、実生とリオンの一緒に学校へ行き友達を作るという願い、実生の命日などが繋がりました。
- オオカミ様=元気な小学生の姿の実生
見た目以上に大人びた話し方態度は、実生は無くなる前の中学生であること、亡くなる1年前に実生もかがみの孤城に出入りしていたことが繋がりました。
- 中学生7人は7年間隔の時代から来ている
7に特別な意味を持たせているのは実生の創作好きな設定によるもの、時代違いによるクラス数・周辺店舗・ゲーム・曜日・うるう年などが繋がりました。
- 喜多嶋先生がアキ本人
フリースクールの喜多嶋先生に会えなかった人は喜多嶋先生がそもそもまだいないから、こころの教室というフリースクールはおそらくこころちゃんから来ていることが繋がりました。
- オオカミ様のヒントとフェイク
オオカミ様はヒントとしてバツ印や鍵のありかを暗示していた、赤ずきんちゃんは七ひきのこやぎを隠すためのフェイクだったことが繋がりました。
- 冒頭の、自分のことだけなぜか知っている転入生が来てみんなが羨むという奇跡は起きない
初めに読んだ時そりゃそうだと思いましたが、最後にオオカミ様が善処してくれて記憶を持ったリオンが転入してくることで繋がりました。
胸が熱くなるシーンが多い
いじめや家庭事情など暗い気持ちになる場面もありますが、子どもたち同士で助け合う、成長していくシーンはかなり胸が熱くなりました。
マサムネの提案で不登校の子どもたちが意を決して学校に行きみんなと会おうとするシーン、こころがアキを助けるシーン、アキが喜多嶋先生としてみんなを助けるシーンなどなど。
閉城直前のウレシノがフウカにまじめに告白するシーン、スバルがマサムネのゲーム制作の友人がいるという嘘を本当にすると伝えたシーンも外せません。
あと子ども同士ではないですが、こころとこころ母がいじめに対して一緒に戦うと覚悟してくれたシーンもウルっと来てしまいました。
記憶を消してもう一度読んで泣きたいです。
まとめ
私の場合映画を先に見てしまっていたので結論は知っていましたが、小説だと描写が細かくてより没入出来ました。
喜怒哀楽と内容の濃い一年を自分も過ごした気になれて、楽しく考えながら読むことが出来ました。
かつて中学生だったみなさん、中学のお子さんにもおすすめです。
ぜひ映画しか見ていない、内容がもっと気になるという方は読んでみてください。
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