クイズの世界へレッツゴー
みなさんこんにちは。
お正月とかによくクイズ番組を見る程度のkyonです。
クイズ番組を見ていると、何でこんなこと知ってんだ?って思うことばかりですよね。
もちろんそれはクイズの勉強をたくさんしているからなのですが、中にはヤラセを疑う人も多いと思います。
早押しクイズで文章が全部読まれていないのに正解することも不思議ですごいですよね。
では問題が1文字も読まれていないのに正解したら…?
今回は「君のクイズ」をご紹介したいと思います。
できるだけネタバレしないようにしながら魅力を伝えられるように頑張ります。
「君のクイズ」の概要
【基本情報】
- 著者:小川哲
- 定価:1,540円+税
- 発行年月:2022年10月
- 頁数:192
- 出版:朝日新聞出版
【目次】無し
生放送のTV番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たすという不可解な事態をいぶかしむ。いったい彼はなぜ、正答できたのか? 真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返る三島はやがて、自らの記憶も掘り起こしていくことになり――。
君のクイズ
読めば、クイズプレーヤーの思考と世界がまるごと体験できる。人生のある瞬間が鮮やかによみがえる。そして読後、あなたの「知る」は更新される!
「不可能犯罪」を解く一気読み必至の卓抜したミステリーにして、エモーショナルなのに知的興奮に満ちた超エンターテインメント!
物語はクイズ番組決勝のクライマックスから始まります。
1,000万円がかかった決勝戦の最終問題で、事件が起きます。
それは早押し問題で、問題が1文字も読まれる前に対戦相手・本庄絆が正解し優勝するというもの。
主人公・三島玲央は決勝戦を振り返りながら最終問題の謎や本庄絆に迫っていきます。
証拠を集めて段々と真相に迫っていくエンターテインメントミステリー小説です。
またこの書籍は「本屋大賞2023」にノミネートされています。
著者の紹介(小川哲)
1986年千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程退学。2015年に『ユートロニカのこちら側』で第3回ハヤカワSFコンテスト〈大賞〉を受賞しデビュー。『ゲームの王国』(2017年)が第三八回日本SF大賞、第31回山本周五郎賞を受賞。『嘘と正典』(2019年)で第162回直木三十五賞候補となる。
Amazon.co.jp: 小川 哲:作品一覧、著者略歴
小川哲(さとし)さんは東京大学大学院博士課程2年で作家デビューを果たしています。
「君のクイズ」は2023年に本屋大賞にノミネートされ、第6位に選出されました。
本屋大賞にノミネートされる本は間違いない!
他にも作品としては「ゲームの王国 上 (ハヤカワ文庫JA)」「地図と拳 (集英社文芸単行本)」「嘘と正典 (ハヤカワ文庫JA)」などがあります。
感想
クイズ回答者の頭の中を知ることができる
クイズ中の主人公三島の思考が常に展開されていきますが、どんどん広がっていって面白いです。
これは頭の回転が速い人の特徴でもありますよね。
一つの答えを出すだけでなく、そこから派生して知識が無限に乗っかてくるイメージです。
正直知らない知識ばかり出てくると読んでる側は?ですが、ときどき知っている問題だと乗っかる知識も理解できて楽しめます。
Undertale、サイレントヒル、響け!ユーフォニアムを知ってる人は見た方がいいかも,,,
また早押しクイズで素早く正解している仕組みについても理解できるようになります。
これはかなり衝撃的で、対戦相手や大会によって戦法は変わるし、何よりボタンを押した瞬間は答えが出ていないことも!
テレビ番組では視聴者は分からないですが、出題者の口の形から次の文字を読む問読みという技術もあるよう。
クイズは圧倒的な知識はもちろん、技術も必要なまさにスポーツですね。
0文字解答の謎に迫っていくのが面白い
物語は本庄が決勝戦最終問題で0文字解答をして優勝することから始まります。
もちろんそのあとは大炎上。ヤラセにしか思えません。
ただし相手が東大理Ⅲで法律を丸暗記できるほどの天才のため、ヤラセと思わない人もちらほら。
三島は最初はヤラセだと怒っていましたが、絶対にヤラセとは言い切れないとも思い始めます。
それは予選や決勝の他の問題で、あまり違和感を感じていなかったからです。
ヤラセかどうかをはっきりさせるには番組か本人に聞けば分かりますが、全く連絡が取れません。
そこで三島は問題を回想し情報を集め始め、だんだんと真相に迫ります。
ここの推理と段々予想が確信に近づいていく感じがワクワクするんですよね。
皆さんは早押しで問題が出ていないのに正解できたのはなぜだと思いますか?
クイズとは人生である!
三島は論理的に正解を導き出すクイズが大好きなクイズオタクです。
回想でも出てきますがクイズを心から楽しんでいて、緊張感も正解も不正解も楽しんでいます。
お金や世間体を度外視してドハマりできるものがあるのは素晴らしい、まさに人生ですよね。
しかし人によってやっていることは同じでも、目的や考え方が異なることはよくありますよね。
三島は最後、クイズのことを前より少し好きになり、前より少し嫌いになっています。
ぜひあなた自身の目で真実を確かめてみてください。
まとめ
この本は三島の思考と考察が面白くてすぐに読み切ってしまいました。
ページ数は200もなく軽めですが、かなりの満足感です。
ぜひあなたもこのクイズの謎に迫ってみませんか?
クイズの知識がない人ほどどっぷりハマることができると思いますよ。
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