公害防止管理者大気1種を2年で合格!
皆さんは資格、取得していますか?
社会人の方は会社によりますが、推奨される資格が定められていることもありますよね。
さらに良心的なところでは受験料や教材の補助が出たり、報奨金や手当が出たりします。
私は積極的に会社の制度を利用して、コツコツ資格に挑戦しています👍
私は「公害防止管理者大気1種」という工場で必要とされる国家資格を、2023年に合格することが出来ました。
(受験は2022年に5科目合格1科目不合格、2023年に残りの1科目を合格し大気1種取得となりました。)
ちなみに合格証書はA4サイズでした。
今回は公害防止管理者大気1種試験の内容と、2回の受験(合計3か月)の勉強法、感想をお話しします。
少しでも参考になれば嬉しいです。
公害防止管理者とは
公害防止管理者試験の概要
公害防止管理者は「特定工場における公害防止組織の整備に関する法律」により、大気汚染や水質汚染などを防ぐために、※特定工場に設置を義務づけられています。
公害防止管理者の役割は、公害発生施設や公害防止施設の運転、維持、管理、燃料、原材料の検査等を行うことで、資格が必要となります。
資格取得には「公害防止管理者等国家試験」を合格する必要があります。
公害防止管理者等国家試験 | |
試験申し込み | 7月の1か月間 |
試験日 | 10月の第1日曜日(年1回) |
公式解答速報 | 試験翌日(月曜日)の13:00頃 |
合格発表 | 12月半ばごろ |
実施場所 | 全国主要9都市(札幌、仙台、東京、愛知、大阪、広島、高松、福岡、那覇) |
受験資格 | なし |
資格取得の条件 | 国家試験を受験し、対象科目全てを60%以上正解すること |
受験者の負担を軽減する制度 | 科目別合格制度あり (不合格でも科目合格をすると、3年間は合格科目を免除可能) |
資格取得後の 登録・更新 | 登録手続きはなし。定期的な更新制度はなく、永年資格。 |
大きな特徴としては受験資格がなくだれでも挑戦できる点、科目別合格制度がある点です。
自分の状況に合わせて数年計画で資格取得する方も多くいますね。
また問題用紙は自分で持ち帰ることになり、試験翌日の昼には公害防止管理者国家試験HPで正解速報が出ます。
合格発表は12月と先ですが、試験翌日には自己採点をして合否を確認できるのも覚えておきましょう。
試験区分
公害防止管理者には13もの試験区分があり、試験科目も異なります。
また資格によって選任できる公害発生施設の区分・範囲が異なります。
受験をする際は、公害防止管理者試験を実施している一般社団法人産業環境管理協会HPにある、受験案内を必ずチェックしてくださいね。
公害防止管理者大気1種とは
大気1種の概要
公害防止管理者大気1種は、カドミウム・その化合物、塩素・塩化水素、ふっ素・ふっ化水素・ふっ化けい素、鉛・その化合物を発生する施設(大気関係有害物質発生施設)で、排出ガス量が1時間当たり4万立方メートル以上の工場に設置されるもの。
また大気2種、3種、4種の上位互換となり、大気1種でどんな大気関係有害物質排出施設でも選任できます。
試験概要
試験科目は「公害総論」「大気概論」「大気特論」「ばいじん・粉じん特論」「大気有害物質特論」「大規模大気特論」の6科目です。
種類豊富な公害防止管理者試験の中でも、唯一最多の6科目が必要な最難関試験です。
合格ラインは各科目6割以上の正答で合格となります。
試験時間は全科目受験する場合、9:35~17:20までと一日中試験があります。
試験問題は全て五肢択一です。
試験科目 | 問題数 | 合格ライン | 試験時間 |
---|---|---|---|
公害総論 | 15 | 9以上 | 9:35~10:25 |
大気概論 | 10 | 6以上 | 11:00~11:35 |
ばいじん・粉じん特論 | 15 | 9以上 | 12:45~13:35 |
大気特論 | 15 | 9以上 | 14:10~15:00 |
大気有害物質特論 | 10 | 6以上 | 15:35~16:10 |
大規模大気特論 | 10 | 6以上 | 16:45~17:20 |
難易度・合格率
「国家試験の問題と正解 結果の概要」によると、令和3~5年度の大気関係第1種の受験者数や合格率は次の表のとおりです。
2023(R5)年度 | 2022(R4)年度 | 2022(R3)年度 | |
---|---|---|---|
受験者数 | 4,373人 | 4,580人 | 4,447人 |
合格者数 | 834人 | 1,282人 | 1,166人 |
合格率(免除申請あり) | 26.8% | 37.5% | 35.1% |
合格率(免除申請なし) | 1.6% | 5.2% | 5.5% |
合格率(合計) | 19.1% | 28.0% | 26.2% |
R5年度の全体の合格率は19.1%と5人に1人は合格していますが、一発合格(免除申請無し)となると1.6%とかなり低くなっています。
なので難易度はかなり難しい試験と言えるでしょう。
でも免除申請を使って着実に科目を合格すれば、大気1種も全然取得は可能です。
試験の感想
最多の6科目受験で朝から夕方までかかるため大変ですが、意外と試験時間に余裕はあります。
公害防止管理者大気1種試験は五肢択一で問題数も1科目当たり10問か15問。
大気特論は計算問題が少しありますが、解き方は割と単純なので覚えておけば時間はかかりません。
試験が解けた人から退出できるようになればありがたいのですが、公害防止管理者試験は試験時間中の退出はできません。
マークミスが無いように何度も何度も解きなおして確認するしかないですね。
試験と試験の間は35分設けられていますが、試験開始の10分前ごろから試験監督者からの注意点説明(勉強道具をしまう必要あり)、試験終了後に答案の回収が5分程度あります。
なので試験時間が長いくせに意外と休憩時間に勉強する時間がありません。
対策としては短い時間で要点や苦手を復習できるように、テキストに付箋を張ったりマーカーを引いたりするといいですね。
勉強時間
実際の勉強時間は約150時間程度で、期間としては1年目が2ヶ月、2年目が1か月でした。
個人的には150時間は勉強し過ぎた感があるので、過去問対策をしっかりやれば100時間ちょっとで合格可能です。
毎日平均3時間勉強すれば33日で約100時間なので、余裕を見て試験2か月前の8月から勉強をスタートして間に合う計算です。
なかなか仕事やプライベートで時間を取れない人は、早めに勉強をスタートさせておきましょう。
一発合格できなかった後悔とアドバイス
私は2021年に公害防止管理者水質1種を2か月の勉強で1発合格しました。
そのおかげで共通の公害総論は科目免除ができ、2022年に公害総論以外の5科目の受験に挑戦。
水質で勉強方法も勉強時間も分かっていたので、試験2か月前から勉強スタートしていました。
残念ながら大気概論の問題でかなり悩み、自己採点5点で1点足らずに不合格、他科目は合格していました。
たった1科目のためにまた来年受験が必要で、受験料を1万以上支払うのを考えるとかなり落ち込みました。
翌年の2023年に大気概論だけの受験なので、しっかり勉強して受かることが出来ました。
公害防止管理者は科目の問題数が10問と少ないものが多く、ちょっとのミスが命取りだなと実感しました。
私に限らず大気1種も過去問を対策をしっかりすれば、一発合格も目指せます。
無駄に受験料をたくさん支払わなくていいよう、過去問や演習を十分すぎるくらい解いておきましょう。
実践したおすすめ勉強方法
私の勉強方法としては、会社の制度で通信教育を受講し、各科目毎のテキストを1周読みひたすら過去問を解きました。
これは水質1種の時と全く同じやり方です。
テキストについてはまとまっている新しめのものであれば何でもいいと思います。
公害防止管理者試験はとにかく試験範囲が広いのですが、出る箇所は傾向があり毎年似ています。
そこで過去問をぶん回します。
ありがたいことに公害防止管理者試験の過去問は公開OKのため、見やすくまとまっているサイトを紹介します。
私はこれらのサイトから過去問10年分を印刷して解き、間違った問題を解きなおすことで一発合格をすることが出来ました。
ただし試験を受けてみて感じたことは、直近数年の傾向が特に強いため5年分くらいを完璧にする方が効率が良く感じました。
余談ですが公害防止管理者の試験問題は、公式のテキストである「新・公害防止の技術と法規」という本から全て出題されます。
じゃあこれ買ったらいいじゃんと思うかもしれませんが、値段が1万円近くと高く、何より辞書のように分厚く膨大です。
このテキストは購入しなくても十分合格は可能ですが、より確実な合格のために最後の仕上げとして使うのも手です。
まとめ
難しい公害防止管理者大気1種試験でも、しっかり過去問対策をすれば一発合格は可能です。
仮に科目を落としたとしても、翌年の受験はかなり勉強量を少なくでき、余裕をもって合格できるはずです。
工場で働く人には自職場設備の勉強になりますし、届け出必須な大規模工場だと重宝されます。
会社の資格補助制度、報奨金制度、実際に選任されている公害防止管理者などを一度確認してみると面白いですよ。
また転職時に履歴書に書けて、向上意欲のアピールもできるので、かなり有利に働きます。
皆さんが公害防止管理者大気1種を合格できることを心から願っています。
他にも工場で働くうえで役立つ資格について発信していますので、是非見てみてくださいね。
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