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【書評】傲慢と善良(辻村深月)※ネタバレあり

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みなさんは恋愛していますか?結婚していますか?

恋愛ってその瞬間は夢中で、好きな気持ちにまっすぐ向き合って、結果はどうであれ自分を前に進ませてくれます。

恋愛の先には結婚が見えますが、人によっては先に結婚を前提に活動することがあります。婚活です。

この婚活に対する考え方は人によって価値観が違い、特に男と女で結構違うような気がします。

ストーカー被害による婚約相手の失踪と、この婚活を巡っての価値観の違い、人の心の中に潜む相反するのに共存している傲慢さと善良さをリアルに表現した恋愛?ミステリー?小説があります。

今回は「傲慢と善良」をご紹介します。

マッチングアプリが広がるものの、なかなか婚活や恋愛がうまくいかない人も多く、そんな現代の悩みもとことんまで言語化してくれています。

kyon
kyon

タイトルは厳ついですがすごくストーリーが読みやすく、後半には大大大どんでん返しがあります。
ネタバレありの書評なので、まだ読んでない方は今すぐ買って読んでみて!!!

この作品はこんな人にオススメです。

  • 恋愛小説が好きだけど、甘いだけでは物足りない
  • 人間の“本音”や“弱さ”を描く物語が好き
  • ミステリの緊張感と心理ドラマを両方味わいたい
  • 結婚やパートナーシップについて考えたい
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「傲慢と善良」の要約・あらすじ

【基本情報】

  • 著者:辻村深月
  • 定価:810円+税
  • 発行年月:2022年9月
  • 頁数:503
  • 出版:朝日新聞

【目次】

第一部
 第一章
 第二章
 第三章
 第四章
 第五章
 第六章

第二部
 第一章
 第二章
 第三章

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる——。彼女は、なぜ姿を消したのか。浮かび上がる現代社会の生きづらさの根源。圧倒的な支持を集めた恋愛ミステリの傑作が、ついに文庫化。《解説・朝井リョウ》

傲慢と善良

『傲慢と善良』は、婚約者の失踪をきっかけに“人はなぜ結婚するのか”という普遍的テーマに迫る恋愛ミステリで小説です。

恋愛小説でありながら、ミステリとしての緊張感が途切れず、 「結婚とは? 愛とは? 人を理解するとは?」 という問いが胸に刺さる、読後感の深い物語です。

累計部数はなんと125万部を突破した大ヒット作で、2019年には第7回ブクログ大賞小説部門で大賞、2020年宇都宮大賞受賞、2022年には第8回ミヤボン2022 大賞となっています。

作者の辻村深月さんが語る『傲慢と善良』に関するインタビュー記事もYoutubeで公開されています。

また2024年9月には映画化もされ、主演を藤ヶ谷太輔 × 奈緒が演じています。

映画版では架と真実の視点が交錯し、 「なぜ彼女は消えたのか?」 という謎がよりドラマティックに描かれています。

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著者の紹介(辻村深月)

『傲慢と善良』辻村深月インタビュー

1980年2月29日山梨県生まれ。作家。千葉大学教育学部卒。200年に『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞し、デビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147貝直木賞、18年『かがみの孤城』で第15貝本屋大賞受賞。著書に『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『島はぼくらと』『青空と逃げる』『琥珀の夏』『闇祓』『嘘つきジェンガ』など多数。

傲慢と善良

辻村深月は、繊細な心理描写とミステリーの緊張感を融合させ、読む者の心を深く揺さぶる物語を紡ぐ現代日本文学の旗手です。

デビュー以来、直木賞・本屋大賞をはじめ数々の賞を受賞し、幅広い世代から支持されています。

他の著作では『かがみの孤城』も書評を出しているので、ぜひ読んでみてください。

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感想

ここからはネタバレを含みます。

疑いもしなかった真実失踪の真実(しんじつ)

第一部では架目線の真実の様子、妹・希実や母・陽子目線の真実の様子が出てくるため、真実が善良な子だという印象しかなく、勝手に誘拐か駆け落ちだと思い込んでいました。

まさかストーカーの話が嘘だったとは!

架の女友達にバレたことと元カノとの点数付のくだりに怒って失踪という結果でしたね。

第一部の見えないストーカー探しは闇雲すぎて正直終わりが見えずどうなるのかなと思ってましたが、第六章の女友達で一気に真相に辿り着きました。

kyon
kyon

下手すりゃもっと早く辿りついてたのかも。

この女友達の美奈子や梓、渚らの発言にはイライラしっぱなしでしたが、よくある女性の会話ですよね。

真実がこれまでこういうタイプの女性とつるんでなくて耐性がないのは分かってるけど、30代にしては子供みたいな反応すぎてもう少しうまく返答もできたかもと思いますが、これが善良さの現れですよね…

まあ女友達も本人を前にして、この結婚前の大事な時に嘘を見抜いて言ってしまうのもタイミングが悪いですね。偶然お酒の席で居合わせてしまったのも運命の悪戯。

否定するだろうけど結局架をぽっと出の真実に取られたくない思いから意地悪言ったんだろうけど、渾身の一撃過ぎ。

結婚前後は仲良い異性の友達は関係薄くするのがいいですね。悪気なくてもどこかで揉めるし。

結婚してしまえばほぼ会うことなくなるのは明白なんだけど、結婚前が一番危ない。

何はともあれ最終的にはお互いの非を認めて、結ばれたからよかった。

第二部で真実と高橋がいい感じになりつつあった時は、ワンちゃんそっちと結ばれるかと思ってNTRみたいに脳が破壊されかけました。

最後の結婚式場のキャンセルは架はビビりますが読者はみんな真意をわかってたと思います笑

あと殺人未遂で真実は善良…って思いました。こわ。

本作の戦犯は陽子

箱入り娘とはよく言ったものですが、間違いなくこの真実を作り上げたのは陽子の発言や考えです。

度重なる捻じ曲がった偏見と狭い視野。

そして無意識に相手を小馬鹿にする発言。

悪気がないことも相まってゴミです。

kyon
kyon

陽子の登場シーンは本作の登場人物の中でもかなり多いですが、ずっとイライラしてました(笑)

ただ世の中こういう考え発言をするお母さんが方たくさんいるんでしょうね。

特に田舎の狭い世界だと、空気感や変なレールが敷かれているなど、外の世界を知らない井の中の蛙になってしまいます。

自分で思いこむ分にはどうでもいいのですが、それを自分の子や周りの人に対して言ってしまう、強制してしまうのが…

自分も子供の時、公務員になれなれ言われてたので、真実が県職員になったことと重なり複雑な気持ちになりました。

ただし陽子のような人に育てられたからと言って、絶対に真実のようになるとは限りません。

希実は外に出て自分の道を行きました。

結局は真実も親に甘えていて自分の意見を持たなかった、考えるのを諦めていた怠惰さがありました。

陽子を反面教師に、子供を信じる、子供の意見も聞いて尊重することができる親になりたいですね。

結婚に対する男と女の認識の違い

架とアユのやりとりがすごく既視感がありました。

kyon
kyon

私は彼女(妻)と一緒に地元を離れたこともあり23歳と早めに結婚しましたが、地元に残ったり、一人で県外に就職に出るなどすると、ずるずる結婚を渋っていたと思います。

(正直自分もまだ結婚は早すぎると思ってましたが、別に妻に不満も不安も無かったのでそのまま結婚してました。)

女性の方が将来の結婚や出産、育児の年や孫などよく考えてるいる人が多いと思います。

女性は体の負担などから逆算して人生設計しているのは理解してますが、なぜか男性は何とかなるだろーと考えてしまうんですよね。

遊びたいから?責任負いたくないから?

まさに男の未熟さです。

居なくなってから寂しさがわかるのは本当に辛い。

若い男性でもし結婚を迷ってる人がいたら、勇気出して一歩踏み出してほしい!

結婚して運命の人にすればいい!

傲慢と善良

現代の結婚がうまくいかないのは傲慢さと善良さだというのが、本作のメインテーマでしたね。

傲慢な自分な価値観、善良な人ほど自分がなく無知や世間知らずになってしまう。そんな二つが同じ人に存在する。

そんな代表的な人物として描かれたのが真実でした。

解説に書かれていましたが、自分らしさというのはこれまでの経験からしか作られません。周りの人の言動、成功体験、環境などに依存します。必ずどこかでキッカケがあって行動する・自分らしさが生まれます。

なので新しい経験は自分から飛び込んでいく、情報も興味を持って自分から取りに行くと、世間知らずにはなりにくいのかなと思います。

また思っているよりも自己評価は高く見積もっている、自己評価は低いのに自己愛は強いなど傲慢さを解説されていましたが、まさにその通りだと思います。

基本自分を好きで問題ないのですが、婚活や就活など選ばれる側に立つ場合だと客観的に自分を見なければいけないですね。自己分析。

そのためには周りを知る必要があるし、すぐわかる見た目やスペックだけではなく、中身にも目を向けて比較することが必要です。

この人ピンとこない=自分の点数に見合わないということだというのは衝撃で、傲慢さをうまく言語化されてると思いました。

kyon
kyon

自分も嫁も何点と思ってたか気になるけど聞きたくないな…(笑)

まとめ

今回は傲慢と善良を紹介しました。

誰しもが自己を高く見積もる傲慢さをもっている、善良に生きてきた人ほどうまく人付き合いや社会で生きられないこともあるという2つの側面を徹底的に紐解かれた物語だったなと思います。

文字だけ見ると傲慢はダメ、善良でいればOKと見えますが、何事もバランスです。

うまく生きていくには真実がボランティアに行ったように、希実が県外に出たように、新しい経験をして価値観を広げていくのがいいんだろうと思います。

そして婚活の難しさと実態も詳細に書かれ、思っていたものと違いました。

大恋愛という言葉が最後に出てきましたが、総評うまくまとまった恋愛小説で個人的に大満足です。

kyon
kyon

真実に嘘までつかせる、女友達もたくさんいる架はどんだけ色男なんでしょうか!!くそ!

コメント

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