最近書店に行くとでかでかと目を引くタイトルの本が置いてあります。
タイトルは変な家というシンプルなタイトル。

内容は知りませんでしたが、よく見かけてずっと気になっていました。
そこでとうとう購入して読んでみましたが、まんまと独特な世界に引き込まれてしまいました。
今回は小説の「変な家」をご紹介したいと思います。
「変な家」のあらすじ
【基本情報】
- 著者:雨穴(うけつ)
- 定価:1,273円+税
- 発行年月:2021年7月
- 頁数:P244
- 出版:飛鳥新社
【目次】
- 第一章 変な家
- 第二章 いびつな間取り図
- 第三章 記憶の中の間取り
- 第四章 縛られた家
このは、ある家の間取りである。
あなたは、この家の異常さが分かるだろうか。
おそらく、一見しただけでは、ごくありふれた民家に見えるだろう。しかし、注意深くすみずみまで見ると、家中そこかしこに、奇妙な違和感が存在することに気づく。その違和感が重なり、やがて一つの「事実」に結びつく。
それはあまりに恐ろしく、決して信じたくない事実である。
変な家 文庫版
変な家の冒頭に出てくる家の間取り図がこちら↓

一見普通に見える2階建ての民家ですが、よく見るとおかしな点がいくつもあります。
著者の知人が家を購入したいとのことで著者にこの間取り図を見せてくれたことから話は始まります。
そこで著者は家の間取りに詳しい設計士に相談しますが、不可解な点がいくつも見つかります。
さらにこれら不可解な点から一つの恐ろしいストーリーも導き出されてしまいます。
著者は真相が気になり調査をしていきますが、おそろしい事実が続々と明らかになっていきます。

ジャンルは不動産ミステリー。
間取り図を見ながら推理が進んでいきます。
「変な家」の元は、著者「雨穴(うけつ)」のYouTube動画、「【不動産ミステリー】変な家」です。
YouTubeは2000万回以上も再生されています。
そして書籍販売化され、現在は100万部突破の大ベストセラーとなっています。
さらに本書は2024年3月に映画化され、大ヒット上映中です。
映画版は小説版と少しストーリーが違い思うところはありましたが、まあ楽しく見ることが出来ました。
実際に見てきた感想も書いたので、そちらもぜひ見てみてくださいね。
著者の紹介(雨穴)

オカルト系の記事を専門とするウェブライター。
YouTuberとしても活動している。
変な家 | 株式会社 飛鳥新社 (asukashinsha.co.jp)
YouTubeでは全身黒タイツに白塗りの仮面をかぶった雨穴さんを見ることができます。
動画は「変な家」のようなミステリーや、歌などを投稿しており、不気味な雰囲気が漂います。
ウェブライターとしては、オモコロというWebメディアに記事を投稿しています。
じんわりと怖くなってくる話もあれば、独特過ぎて面白い話がたくさんあるので、ぜひ覗いてみてください。
片淵家の家系図まとめ※ネタバレ注意
「変な家」では住居人である片淵家の家族関係、しきたりが重要となってきます。
しかし後半に連れてたくさん登場人物が出てきて、家族関係が複雑になっていきます。
ネットで検索すると普通の家系図は見つかるのですが、誰がどんな人物か分かりません。
そこで私なりに片淵家の家系図と簡単なメモをまとめてみました。(間違ってたらごめんなさい)


はい、かなりごちゃごちゃですね笑
細かく書いてるので拡大して見てみてください。
家系図の左半分が片淵清吉を始めとする片淵分家、右半分が片淵本家になります。
また赤字で書かれた桃太と桃弥が左手首のない子で、左手供養の儀式で殺人を行わなければならない人です。
ぜひ一度本書を読了した後、復習として見直してみてください。
感想
展開が早く読みやすい不動産ミステリー
この本はミステリーで変な家の謎を解いていくのですが、思ったよりもかなり展開が早いです。
特に間取りの謎はポンポン解かれていき、家族の謎や背景は段々明らかになっていきます。
変な家3種類(東京、埼玉、本家)の間取りと変なポイントを自分なりにまとめてみました。

- 入り口のない侵入不可能な小さな空間がある
- 2F子供部屋前が2重扉になっており遠回りしないと入れない
- 子供部屋に窓がない、子供を隠そうとしている?
- 子供部屋専用の備え付けトイレあり、独房?
- 2Fの洋室(脱衣所)が寝室から丸見え
- 浴室とシャワー室が別、浴室には窓無し
- 夫婦+子の3人家族なのに1Fの寝室ベッドが余分
- 極端に多い窓

- 2F子供部屋に窓無し
- 浴室に窓無し
- 脱衣所横に変な空間
- 不自然な3角形の部屋

- 左右対称
- ピッタリの幅で大きな仏壇
- 和室に窓無し
- 和室①-②感のふすまが開かない

パッと見分かりませんが、よく見ると変な家たちですよね、、、
また本書の所々で間取りの図が出てきたり、セリフに話者が書いてあったり良心的でした。
いちいちページを遡らなくてもいいようになっていて読みやすかったです。
ミステリー初心者にはかなりオススメです。
他にもミステリー小説の書評を書いているので、ネタバレ注意ですが見てみてくださいね。
じんわりとした怖さと最後後味の悪さが魅力

作者である雨穴さんの作品はどれもそうですが、全体的にじんわりとした怖さがあります。
そして最後に含みを持たせて終わるので、後味の悪さが魅力です。
本書では最後に栗原の考察で、今回の事件を意図的に起こさせたのは喜江説を提唱していました。
確かに左手供養の儀式で家族内で殺しが横行すると、内部で恨みや報復も起こって当然です。
たまたま近い世代で左手首のない子供が生まれてしまったのでこのような事件が起きてしまいました。
しかし左手首のない子供なんて、そうそう生まれないので、今後数世代生まれなければいずれ忘れ去られ事件は起きなくなりそうです。
ただし弥生や喜江を始めとして片淵家を崩壊させる呪い(恨み)を引き継ぐ限り、左手首のない子供が生まれなくても事件が起きそうです。
片淵家が繫栄し過ぎて、なかなか収集付かなそうなのが救われないですね。

他にもいろいろな考察ができますし、ネット上にもたくさん上がっています。
いろんな感想を見てみるのも面白いと思いますよ。
まとめ
今回は「変な家」を紹介しました。
間取りから住んでいる人の心情を読み取っていくと、人の心の闇が見えてきて面白かったです。
また結局は心霊や呪いなどスピリチュアルな怖さではなく、人間関係からくる恨みが一番怖いですね。

これ宗一郎と千鶴が近親相姦しなければ、惨劇は始まらなかったのでは?
でも清吉が本家を恨んでたり、跡目争いもあるからダメか、、、
みなさんも家を買うときは、間取りをしっかり見てみましょうね、、、
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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